健康質問箱
No.3『更年期障害』
更年期障害にはローヤルゼリーが良いとききますが、ホルモン剤のような副作用の心配はありませんか?
(広島県・女性・51歳)

更年期とは初老期のことで、年齢でいえば、だいたい45歳から55歳ごろをいいます。これは女性に限らず、男性にもあります。特に女性は、この時期になりますと、更年期症状といわれる一連の症状に悩まされることになります。

更年期症状の主なる症状としては、顔がほてる・のぼせ・冷え性・動悸感・頭痛・頭重・不眠・めまい・耳鳴り・眠たがる・しびれ・知覚過敏(蒲団や着物にすれて痛い)・蟻走感・かゆみ・肩こり・神経痛・痛む場所が移っていくような下腹痛・腰痛・筋肉痛(押すと痛い)・疲労感・眼精疲労などです。これらは、自律神経失調症の症状とほとんど同じと考えてよいでしょう。年老いて、卵巣の働きが衰え、卵巣ホルモンが減少してしまうのはどの女性にもあることですが、更年期障害は全ての女性に起こるかといえば、必ずしもそうではなく、女性全体の52%の人にしか起こらないというデータがあります。このことは、更年期障害がホルモン異常だけで起こるものではないということを証明しています。その理由はこうなのです。

卵巣ホルモンは、脳下垂体のホルモンの規制を受けています。また、脳下垂体ホルモンはその上の間脳のホルモン中枢によって支配されています。一方、自律神経は全身の血管に行きわたっていますが、その元(自律神経中枢)はホルモン中枢のある同じ間脳であります。更年期に入って、ホルモン側に変調(卵巣ホルモン分泌減少)が起こると、その影響が近くにある自律神経中枢に影響し、自立神経機能を掻き乱すことになります。こうして自律神経の失調、すなわち更年期障害は起こるのです。

ただし、自律神経の中枢は一様ではなく、ホルモン側の変化によって、影響を受けやすいタイプ(不安定型)と、ホルモンの変化には反応しないタイプ(安定型)とがあります。安定型の人は、たとえ、老化によってホルモンが減少しても、自律神経中枢は反応しないために、更年期症状は起こりません。自律神経機能が不安定の人は、その影響を受けて、自律神経失調症を起こすのです。

更年期障害の人に、女性ホルモン(卵巣ホルモン)を与えると、更年期症状が治るのは、卵巣ホルモンが自律神経中枢にはたらいて、その機能を調整し、安定させるためです。卵巣ホルモンの投与によって安定させることはできますが、ホルモン不足を補うだけですから、生きている限りホルモン投与を続けなければなりません。また、卵巣ホルモンは本来は子宮に作用するホルモンなので、長くこれを使っていると、子宮肥大や子宮出血を起こすこともあります。このような副作用は、患者にとって新たな心配の種となります。

ローヤルゼリーには、自律神経調整作用があることがわかっています。更年期障害を改善するには、副作用のないローヤルゼリーを用いるのが良いでしょう。

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